ジャーナル(和書)
それでも本はやってくる!!
図録(和書)

それでも本はやってくる!!(和書)

こちらは、日本語のエジプト関連本です。
調査報告書の類を読んでいるので、エッセイや旅行記のようなものは、評価が厳しくなっています。
自宅の書棚にあるもの限定にします。

    タイトル  レビュー 評価   備考
   1 ピラミッド大全 ピラミッド全体を取り上げている本で、詳しく書かれています。
著者のヴェルナーは、アブシールのピラミッド地域の調査隊を率いていた学者です。
中身は、ピラミッドの概要を説明した後に、時代順に個々のピラミッドの説明が行われています。
調査を行っているアブシールのピラミッド群については詳しく、中王国時代のピラミッドについては、少し大雑把という印象です。
この本の後に、ザヒ・ハワスが、権力とコネを大いに利用した大作を発表しているのですが、残念ながら翻訳されていないので、現在もっとも新しいピラミッド全体をカバーした本となっています。
2003年の出版です。
★★★★  
   2 図説 ピラミッド大百科 M・レーナーのピラミッド関連本です。
有名なコンプリートシリーズの翻訳本ですので、内容はしっかりしていますし、読みやすいです。
しかし、なにしろ古すぎます。
これは、レーナーの責任ではなく、出版業界というか日本のエジプト学の世界に問題があると自分は考えています。
この本の面白さは、本の後半部分のピラミッドそのもの“以外”の部分です。
この部分は、いまでも面白いし、現在のレーナーにも通じるものがあります。
以前レーナーのレクチャーに参加したときの彼の言葉『自分は、推測ではなく、調査した結果だけを話したい。』は、印象深いです。
おそらく、以前関わりを持っていたニューエイジを念頭にした言葉だと思っています。
アブラワシュのピラミッドに非常に興味がある自分としては、早く衛星ピラミッドの位置が違う“伝統的なor生きた化石的な”平面図をなんとかしてもらいたいものです。
★★★  
   3 遺跡の旅 ①エジプト・メソポタニア NHKの『未来への遺産』の姉妹編とされています。
今は、どうなったかもわからないイラクの遺跡群のきれいな写真も載せられています。
エジプトの写真も豊富なのですが、この本で面白かったのは、NHKのディレクターと森本哲郎氏の対談です。
この中で、ハトシェプスト女王葬祭殿を現代でも通じる建築物、また、日本の遺跡とピラミッドを比較して話をする部分などなど。
購入はともかく、一度読んでみるのもいいと思います。
★★★  
  4 スフィンクスの秘密 S・ハッサンの『The Sphinx It's History in The light of Recent』の翻訳本です。
翻訳本は、2013年に購入したものですが、最近では一番アタリです。
原書も読んでいたのですが、古めかしい言い回しを差し引いても読んでおくべき本でしょう。
翻訳者で日本におけるエジプト学の先駆者である酒井傳六氏の評価は分かれるようですが、海外の著作を紹介した功績は大きいと思います。
スフィンクスについての良書です。
スフィンクスに関することだけではなく、第18王朝諸王について興味深い話が多く書かれています。
この本は、2013年4月現在でも比較的安く購入できますので、入手して損はないでしょう。
★★★★★★  
  5 黄金のツタンカーメン この本は、コンプリートシリーズの翻訳本です。
ニコラス・リーブスの絶頂期の作品です。
内容を完璧に理解できたら、それだけでかなりの水準だと思いますが、それほど難解な本ではないのは、コンプリートシリーズの特徴です。
読み、実物を見て考え、また本を読む・・・この本は、読めば読むほど面白さが増します。
この本も出版されて、かなりの時間が経っていますが、輝きはそのままです。
★★★★★  
  6 エジプトの古王国時代 アルドレッドの著書を屋形禎亮氏が翻訳したものです。
古い本なので、若干割引もありますが、翻訳をきちんとされている良書です。
内容は、古王国時代以前から古王国時代にかけての全体的な説明がされています。
写真は多い方ですが、大部分はモノクロです。
★★★  
  7 メトロポリタン美術全集1 古代エジプト・オリエント これの英語版が高値で取引されているわけですが、日本人であれば、日本語版が安く入手できるのにこしたことはないです。
もう少し・・・というのは、欲張りすぎなのでしょう。
いい本です・・・しかも定価5800円の本を500円も出さずに手に入れたのですから。
探せば、まだまだいい本が入手できそうです。
★★★★  
  8 ピラミッドを探る メンデルゾーンの『The Riddle oh The Pyramids』を酒井傳六氏が翻訳したものです。
この本も、その価値からすれば非常に安く購入できます。
一般的に伝わっているピラミッド建設公共事業説の始まりとされる本です。
しかし、読んでいくと、公共事業的要素こそ含まれているもののそれほど“宣伝されるほど過激な”内容ではないことがわかります。
どちらかといえば、正統派のエジプト学に敬意を表するような表現が多く、病的な遺跡マニアである自分でさえ評価を下げることはない内容です。
ピラミッド建設をどう考えているかは別にしても読んでおくべき一冊でしょう。
★★★★  
  9 ツタンカーメン 少年王の謎 河合望氏の2012年出版の本です。
河合氏は、ツタンカーメン及びアマルナ時代の専門家と称されている人物です。
近年出版された本の中では、オカルトや超古代文明とは無縁の読みごたえがあるものでした。
ただし、データや発掘品の使い方に偏りが目立ちます。
読んで面白い、しかしその主張には100%は賛同しないというのが、自分のスタンスです。
★★★  
  10 古代エジプト神殿大百科 コンプリートシリーズの翻訳本です。
これは、エジプトの神殿群について書かれた本で、非常に読みやすいです。
どちらかと言えば、広く浅くという評価が正しく、あまり取り上げられないような神殿にも光が当てられている一方、個々の神殿の説明は非常に簡素です。
自分の好きなアマルナの神殿群などあっさりと終わり、カルナック神殿も、その奥深さからほど遠い表面を撫でただけの説明がされているだけです。
初心者には非常によい、ただし、ある特定の神殿にのめり込んでいる者にとっては、不満が残る内容です。
なお、英語版は、日本語版に比べて非常に安く購入できます。
★★★  
  11 『神々の指紋』の謎はすでに解明されていた。 M.レーナーのケイシーに傾倒していた極初期の作の翻訳本。
たぶん、現在のレーナーなら書かない本で、本人も忘れたいことでしょう。
この後、『神々の指紋』の著者であるハンコックに執拗に反撃されることになります。
この本の内容から、現在のレーナーを想像することができないくらいニューエイジの旗手の“やっています。”
★★  
  12 古代エジプト・クフ王『第1の船』の復元に関する研究 吉村作治氏の本です。
現在『第2の船』の調査・復元をしているので、これから行われるであろう発表の予習または復習のため読んでおくのもいいでしょう。
内容は、かなり細かいのですが、イラストやカラー写真も多く使われているので、流し読みでも十分楽しめます。
あまり市場に出回らなくなっていますが、売値が1万円前後であれば、お買い得と思います。
個人的には、付録的でもよかったので、蓋石についてもやってもらいたかったです。
★★★★★  
  13 消されたファラオ ノンフィクション風なフィクションと思った方がいいでしょう。
前半のアマルナ時代の話は非常に面白いのですが、後半のトトメスが~という部分は源義経が海を渡り・・・風であるし、ユダヤ教がアクエンアテンに影響を与えたまでいってしまうと、自分は拒絶反応が出ます。
前半部分も事実とやや違う部分もありますし、強引に結論を導こうとするところもありますが、現在のアマルナマニアである自分を作り出した“導きの書”であったことは事実です。
内容だけなら2つ星でも多いのかもしれませんが、そういうことも含めて3つ星にしました。
★★★  
  14 古代エジプト ファラオ歴代誌 今となってはつまらない本です。
特に、コンプリートシリーズを翻訳した本が登場してしまい、もう用済みなのかもしれません。
初心者向けとも言えますが、出版されてから、かなり経つので事実と違う箇所も目立ちます。
★★  
  15 王の墓づくりびと M・ビアブライヤー氏の本を酒井傳六氏が翻訳したものです。
王家の谷の墓職人について書かれたものですが、これがなかなか面白い。
最近、資金不足で高価な本をまとめて購入することが難しくなりましたが、そうでなければ、この本には出会わなかったことでしょう。
★★★★★  
  16 ピラミッド 巨大王墓建設の謎を解く 翻訳本で、どうやら大人向けの本ではないらしく、字も大きくところどころにルビが振られています。
内容はというと、意外にもしっかりしています。
十分に読めますし、これだけの内容をイラストと簡易な文章で説明できるものを、他の本でよくも長々と難解に書いているものだと思ってしまうくらいです。
相当程度ピラミッドをやり込んだ人には物足りないかもしれませんが、ピラミッド建造の過程について理解するための良本といえるでしょう。
これは、意外なおすすめ本と云えると思います。
★★★★  
  17 ピラミッド こちらは、シリオッティ氏の本を矢島文夫氏が翻訳したものです。
エジプトを始めた当初、あの河江氏に勧められて購入しました。
当時、河江氏は、自分が今のようなモンスター化するとは思いもしなかったことでしょう・・・自分自身も想像すらしてなかったのですから。
ピラミッド初心者はもちろん、観光ガイドとしても非常に有益です。
中王国時代のピラミッドは、やや説明不足のような気もします。
本棚に加えるべき一冊です。
★★★★★  
  18 王家の谷 テーベの神殿とネクリポリス これこそ絶対に購入すべき本といえるでしょう。
王家の谷のすべての墓を網羅しているわけではないのですが、王家の谷主要墓はもちろん、王妃の谷、貴族の墓、職人の墓のカラーイラスト・写真付きで説明があります。
さらに、葬祭殿の説明まであり、ガイドブックと考えた場合、この一冊でルクソール西岸は足りてしまいます。
実際のところ、自分が王家の谷やルクソール西岸の神殿群のページを作らないのも、この本の存在が大きいわけです。
この本より、いいものは作るのは困難と思ったからです。
さらに、各遺跡の専門書を読む段階になるまで読み続けることでしょう。
こちらも、シリオッティ氏の本を矢島文夫氏が翻訳したものです。
★★★★★★  
  19 ラムセス四世のミイラと墓づくりの記録 『精密イラスト・古代文化シリーズ1 エジプト編』で、偕成社から出版されています。
翻訳本ですが、漢字にすべてルビが振ってあり、児童向けの本なのですが、これは驚異の一冊です。
前述したように児童向けなのですが、中身は非常に濃く、かなりのレベルです。
自分は満足なのですが、おそらく大人でも、この本に書かれている内容を鼻で笑える人は、かなりのハイレベルの知識の持ち主と言えるでしょう。
この本を、多くの日本の子供たちが読み、楽しむということであれば、日本のエジプト学の未来は明るいと断言します。
当然、星6つ!
自分は、この本をとんでもなく安価で買った(内容を知らなかったので、そうでなければ購入するなどありえなかったのだが。)のですが、2013年現在、少々購入する限度を超えた値がついています。
500円以下などはありえませんが、1,000円~1,500円が妥当な購入金額でしょう。
★★★★★★  
  20 ピラミッドの秘密  M.C.ツシャール氏の本を酒井傳六氏が翻訳した本です。
実際にピラミッドの話に入るのは本の半分を読み終えるあたりからです。
以前は面白い本だがわざわざ購入するほどではないというのが自分の感想だったのだが、読み直してみると色々面白いことが書いてあります。
特に初期の発掘について比較的細かく書かれているので参考になるところも多くあります。
★★→★★★★  
  21 王家の谷  O.ノイバート氏の本を酒井氏が翻訳した本です。
これは、面白くないです。
2/3は、ルクソールの王家の谷とは無関係な内容です。
残りは、ツタンカーメン王墓の発掘を夢物語風に書いています。
★★  
  22 古代エジプト文字入門  ステファヌ・ロッシーニを矢島文夫氏が翻訳した本です。
これを、わざわざ翻訳した意味が、イマイチわかりません。
ヒエログリフのデザイン集というイメージです。
★   
  23 図説 ヒエログリフ辞典  この本は、あくまでヒエログリフの文字そのものに焦点を当てた本です。
この本を購入して、ヒエログリフで書かれた碑文を読み理解するというものではないです。
利点として、ヒエログリフと同じ意味のヒエラテック、デモテックも載せられています。
★★   
  24 最新エジプト学蘇る『王家の谷』  近藤二郎氏の著書。
本人は、どういうつもりでタイトルを付け、この本を書いたのかはわからないが、ひどい本です。
大仰なタイトルとは裏腹に、全く中身のない内容です。
期待外れです。
送料込みで300円以上は出せません。
 ★  
  25 よみがえるネフェルタリの墓  翻訳本ですが、この墓の美しいレリーフのガイドブックとしてより、もう少し詳しく知りたい人のための本でしょう。
ガイドブック的な本が欲しければ、『王家の谷 テーベの神殿とネクリポリス』の方をおすすめします。
 ★★★  
  26 巨大ピラミッドの作り方  冗談本の類ですが、タイトルで買いました。
ピラミッドに関するものは、30ページほどです。
暇つぶし程度の本ですが、現代の技術なら5年程でクフのピラミッドも完成できるそうです。
この5年が、本当に短いと言ってよいのかどうか・・・人力対最新の機械ですから。
 ★★  
  27 ピラミッドの謎  J.P.ロエールの有名な著書を酒井傳六氏が翻訳したものです。
ピラミッドに関心を持つ者にとっては、読むべき1冊といえるでしょう。
彼のホームグラウンドというべきサッカラのピラミッドだけでなく多くのピラミッドについて記述されています。
時代が古いだけに若干現在の知識とは違うものがありますが、それでも彼の発掘の成果は現在のエジプト学とりわけピラミッドの研究のベースになって言っても過言ではないでしょう。
 ★★★★  
  28 私のエジプト案内  仁田三夫氏の本ですが、紀行文ですが、写真は少ないです。
この人の本で写真が少ないというのは、それだけで大幅なマイナスポイントです。 
個人的な感想は、特別に作者に思い入れのある人以外は購入する必要がない本です。
 ★★  
  29 埋もれた謎のピラミッド  これも、ピラミッドを研究する者にとっては読んでおく必要がある本で、これが日本語に訳されているというのはありがたいことです。
悲劇的な最期と遂げたゴネイムの著書を矢島文夫氏が翻訳しています。
最近、海外の良書の翻訳というものがめっきり減りました。
日本におけるエジプト学にとっては大きなマイナスでしょう。
この本の中心的テーマは、サッカラの2つ目の階段ピラミッドになるはずだったセケムケトのピラミッド調査に関するものです。 
 ★★★★★  
  30 アブシンベル神殿  牟田口義郎氏の著書です。
古い本なので、写真の質が現在の基準では悪いと言わざるを得ません。
しかし、珍しい、移築前後の写真があるので、1000円以内で購入できれば損はないです。
アブシンベル神殿だけでなく、アスワンやルクソールの遺跡の写真もあります・・・蛇足のようなアビドスの神殿の写真もあります。 
 ★★★  
  31 異端の王 アクエンアテン  神津拓夫氏の著書。
2000年に出版された本ですが、この内容はひどい。
アマルナ時代を夢物語風に綴ったもので、これを読んで事実などと思われたらと心配になります。
アクエンアテンやネフェルティティなどの名前がついた人物が登場する、アマルナ時代を舞台とする架空の話です。
この時代と言わず古代エジプトの知識もなく、古代の慣習を現代の常識で判断する典型的なダメ本です。
多くの資料を名前が挙がっていますが、これらの本から何を得たのかと疑いたくなります。
この本をアマルナ関連本のカテゴリーなど入れるわけもなく、当然星1つ。
2,000円は、この本の価値からは、非常に高いです。
 ★  
  32 古代エジプトの壁画  大日本絵画から出版された本です。
タイトル通り、エジプトの壁画の写真集のようですが、イラストがあったり、モノクロ写真があったりしています。
大した説明も、珍しい写真もないので、定価4800円の1/10が妥当な金額と思います。 
 ★★  
  33 エジプトの文化と建築  自分が所有している日本語のエジプト本では、最古のもです。
大正13年の本です。
ここで新しい知識を得ようというつもりはなく、単純にこの時期の日本での古代エジプトの知識を得ていたのかを知りたかっただけです。
結構おもしろいのですが、読みにくい日本語です。 
 ★★   
  34 謎の民 ヒクソス  酒井傳六氏の著作である。
翻訳に関しては、素晴らしい仕事をした酒井氏だが、自らのとなると、さすがに自分も翻訳と同じレベルと評価するのは難しい。
この本も、テーマは面白いのだが、推測が微妙に結論になっている。
発掘を通して研究 した成果ではないので仕方がないのだが。
 ★★  
  35 大ピラミッドの秘密  B.ブライヤー氏、ジャン=ピエール・ウーダン氏の著作の翻訳本です。
この本の原題は、『The Secreat of The Great Pyramid』ですが、自分は、この本のタイトル違いの 『Khufu: The Secrets Behind the Building of The Great Pyramid 』を持っています。
両方読んだ感想は、中身変わらずなのですが、『Khufu: The Secrets Behind the Building of The Great Pyramid 』のイラストや写真が多いです。
個人的には、著者の説の重要部分に組する気は全くありません。
デンデラの塔門内部の階段や、アブシールの太陽神殿の内部通路とクフの螺旋状の工事用通路とやらを同一に扱うというのは、
B・ブライヤー氏は、商売の成功と引き換えにエジプト学者としての少ない信用を完全に捨てたのではないかと思いたくなります。
軽い読み物としては面白いのですが。
もし、英語が苦手でないのなら、『Khufu: The Secrets Behind the Building of The Great Pyramid 』もおすすめします。
ただし、こちらの方は、中身にふさわしくない4万円以上という高額で取引されていますが。
 ★★★  
  36 古代エジプト探検百科  N・リーブスの著書の翻訳本です。
1799年から2000年までの主な発見について説明がされています。
日本語ということもありますが、わかりやすいです。 
あまり取り上げられないものもありますので入門編としてもいいかもしれません。
この本を見ると、特に初期の発掘が、現在では考えられない喜劇的な話が多いです。
 ★★★  
  37 ファラオの形象  西本真一氏の著書。
買った当初は面白くない本でしたが、現在は好きな本の1つです。
建物、石切り場、葬送具について詳しく書かれています。
詳しい代わりに、読み手にも知識を要求する本です。
 ★★★★  
  38 エジプトを掘る  2015年に5月購入したものだが出版は1977年です。
早稲田大学教授桜井清彦氏の著書で当時の早稲田隊の発掘の様子が書かれています。
類似したものはこの後に吉村氏から多数出てくることになります。 
どうしても読む必要がある本かといえば微妙です。
巻頭のカラー写真は発掘していた『魚の丘』ものでこれは見る価値があります。
カバー絵は平山郁夫氏。
 ★★★  
  39 ヌビア  M・ポル・フーシェ氏の本を酒井傳六氏が翻訳したものです。
ユネスコの救済キャンペーンによる移築作業が行われる前のアブシンベル神殿をはじめとした遺跡群の写真が多く載っています。
内容はそれほど目新しいものではないのですが写真はよくこれだけでも十分入手した価値はありました。
残念ながらカラーではありませんが。 
 ★★★★  
  40 ピラミッドタウンを発掘する  河江さんのデビュー作です。
タイトルであり河江さんのホームグラウンドであるギザ・ピラミッドタウンは270ページのうち後半100ページになります。
前半100ページはピラミッドの歴史や関連項目が書かれているわけですが、さすがに発掘に携わっている者が書いたということで全くの素人には少々難しいかもという内容です。
自分にとっては読み応えがありましたが。
ニューエイジに関するものとピラミッド公共事業説に関するものの記述は興味深いです。
図表と写真はモノクロなのですが、値段を考えればよしとします。
カラー図表の必要があったのは一番重要な後半のピラミッドタウンのものだったのですが。
これが売れるかどうかはわかりませんが、日本のエジプト学者もエッセイ的なものを書くならこういうものを書くべきだという手本のような本です。
本来のテーマであるピラミッドタウンについては、自分自身現地には1回しか行ったことがなく勉強不足なのでやや消化不良気味ですが、最初の170ページだけでも読む価値は十分ありました。
 ★★★★  
  41 図説 ピラミッドの歴史 著者は「ピラミッドは岩山を削って出来上がった」説の大城氏。
ついでに書けば大ピラミッドも基礎部分は岩盤を利用しジェドエフラーのピラミッドは5割弱が岩盤を利用しているが大城氏の説明は山をそっくり利用するもので吉村氏のものと並ぶ珍説といえます。
そういうことで自分は著者に好意を持っているとは言えませんがこの本は非常によいです。
日本語のピラミッド図鑑ではレーナーとヴェルナーのものが双璧ということになっていますがその次にランクすることでしょう。
少しコアはピラミッドファンには説明は物足りなさはかなりあるでしょうが、価格を考えれば十分満足できるといえます。
写真・イラストも比較的多いうえにあまり注目されることのないピラミッドも扱っているのは評価できます。
個人的には河江さんにこれよりもう少し専門的な説明を加えたピラミッド図鑑を出してもらいたいという希望はあります。 
 ★★★★★  
  42 シナイの石が語る  R・ギヴェオン氏の著書を酒井傳六氏が翻訳したものです。
この本が書かれた頃はシナイ半島をイスラエルが占領していました。
著者もイスラエル人なのでユダヤ民族からの眼で古代エジプトを見ているのが面白いです。
そこを除いても古代エジプトと言われる時代のシナイ半島について軽く触れるものはあってもここをメインにするものは日本語の本ではあまりお目にかかることはなく(というか知らない)非常に読み応えがあります。
セラビト・エルカディムの神殿などは『古代エジプト神殿大百科』よりも詳しく説明がされています。 
 ★★★★★  
  43 図説世界文化地理大百科 古代のエジプト  『Atlas of Ancient Egypt』 の翻訳本ですがこれは専門家以外ならどのレベルでも持っていて損はないです。
自分はAUCから出版された英語版を持っていたので旅行の計画を立てるときなどにも利用していました。
エジプト全土の遺跡を網羅しておりサイトを探すのには便利です。しかも日本語。
情報は古いものですが利用するにはほぼ影響はありませんし、実際に翻訳しているのがエジプト研究をしている学生たちなのでエジプト学素人の翻訳家がやるようなおかしな表現がありません。
これはおすすめ。
 ★★★★★★  
  44 河江肖剰の最新ピラミッド入門  河江さんの2冊目。
セールス的には成功なのかもしれませんが、率直な感想を言えば、内容的には非常に不満が残るものです。
ターゲットはエジプト初心者なのでしょうが、それでも読みごたえがないです。
アマゾンでは甘い評価をしましたが、ここではいつもの基準で評価します。
 ★★  
  45 エジプトのオベリスク   英語版に続いて日本語版を読み直したのでレビューします。
1985年出版で翻訳は吉村作治氏。
著者であるハバシュが自らの調査を踏まえて書いておりオベリスクに特化したものではありますが読み応えはあります。
個人的にはエジプトから欧米各国にオベリスクを運搬する苦労話にはまったく興味がなく全体の半分ほどは守備範囲外です。
それでも残りの半分だけでも十分☆をつけられるほどの内容を有しています。
個人的に興味があるカルナックのオベリスク(一般に知られている9本だけでなく幻のオベリスクや小オベリスクまで)についてよく書かれているのでカルナックをやっている人にも有益でしょう。
ただし、どういうわけかトトメス2世のオベリスクについて触れていません。
この当時にはまだ知られていなかったということなのかもしれません。
 ★★★★★  
   46 オリエント 第51巻 第2号  日本オリエント学会の2008年号です。
自分はここの会員ではありませんが、会員の方にいただいたのでレビューします。
当然エジプトだけでありませんが、おそらく自分にくれた理由であるアマルナ関連の論文について書きます。
日本におけるアマルナ時代の第一人者であろう河合望さんが書かれたものですが非常に面白い。
紙文書の宿命であるその後の発見に対応できない欠点など気にならないものです。
なぜか、本文より注意書きの方が面白かったりしましたが、毎回これくらいの内容のアマルナ関連の論文が読めるなら定期購読してもいいかもと思ってしまいます。
 ★★★★★  
  47 磯崎新の建築談義♯01 カルナック神殿  著者は著名な建築家らしいのですが、この本に関しては非常に面白くない。
建築家という肩書がなければまだ楽しめたのかもしれないのですが、肩書があったために余計な期待が入ってしまいました。
対談形式なものですが、内容はエジプト学を修めている人であれば建築家でなくても話せるものばかりです。
星を2つにしましたが、1つでもいいです。
 ★★  
  48 古代エジプト (〈1冊でわかる〉シリーズ) イアン・ショーの「 Ancient Egypt: A Very Short Introduction」の翻訳本なのですが、この本の評価が高い理由がさっぱりわかりません。
とにかく文章ばかりで写真もイラストもないような本で一般の人が1冊でわかるのか理解不能。
では、ソコソコ上級者向けかといえば、そうでもない内容です。
個人的には購入不要な1冊で、これを買うなら辞書的なものを買うことをおすすめします。
 ★★  
  49 ピラミッド   「ピラミッドタウンを発掘する」の文庫本。
20ページほど追加されていますが、これはピラミッド3D、クフ王のピラミッドで新たなに発見された大空間についてのもの。
大空間については砂利など詰め込んだだけの空間であると主張するエジプト学者がいますが、そのようなレベルのものではなく大回廊のような完全なものである理由がわかりやすく書かれています。
 「ピラミッドタウンを発掘する」を持っている者としてはこの約20ページに約700円を支払ったことになりますので、オマケで☆3つというところでしょうか。
読み直すと面白いのですが、自分が河江さんをはじめ日本のエジプト学者に望む本はこの手のエッセイ本ではないです。
 ★★★  
           
           
           
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